【ガンタイプ】ケミカルアンカーの施工方法、施工手順を解説

現場管理
この記事を読んでわかること
・ケミカルアンカー(ガンタイプ)の施工手順、注意点がわかる
・アンカー発注時の注意点がわかる
・施工方法の詳細がわかる

ケミカルアンカーとは

ケミカルアンカーはあと施工アンカーの接着系アンカーに分類されます。

接着系アンカーといえばケミカルアンカーと言っていいほど、建築現場では多く用いられます。
ケミカルアンカーと言えば相手に伝わり、接着系アンカーと言っても伝わらない時があるくらい代表格です。

アンカーで用いられる接着剤の中でも強度が高く、広く使用されています。

「あと施工アンカー」や「接着系アンカー」については別記事で解説
アンカーとは?強さの比較や種類・用途を解説

カプセルタイプのケミカルアンカー

ケミカルアンカーにはガンタイプのほかにカプセルタイプのものがあります。

カプセルタイプとガンタイプと比較すると、
カプセルタイプには以下のようなデメリットがあります。

・寸切りボルトなど、アンカー材の先端を尖らせる必要がある
・施工性が少し劣る
・カプセル径、全長など決まったところに決まった個数用意する必要がある

のように備の段階から施工時まで多少手間や労力がかかります。

1度に数本だけ打ちたい場合など、個数が少ない場合はカプセルタイプがおすすめですが、
数十本アンカーを打つ場合、径や長さが様々な場合はガンタイプがおすすめです。

施工手順

実際の施工手順を写真付きで解説していきます。

今回参考に使用させていただいたのが旭化成㈱様のEA-500という製品です。

専用のディスペンサー(ガン)、カートリッジ、ミキシングノズルで施工できます。
コーキングのガンのように、握れば主剤と硬化剤がミキシングノズルを通り混合され出てきます

EA500の中でも種類があり、EA-500(W)・EA-500(S)
※WがウィンターSがサマー

の2種類から選べ、大きな違いとしてはウィンターは‐15度まで、サマーがマイナス5度までの推奨最低温度とされています。

全体的な流れ

①削孔
②孔内清掃
③注入
④ボルト埋め込み
⑤硬化養生
大きな流れとして5つポイントがあります。

①削孔

削孔時のポイントとしては必要長さ、必要径を決められたとおりに施工します。

長さ・径については必要耐力や必要ボルト系などにより決まっており、今回のEA-500ではカタログに詳しく記載されています。(クリックするとメーカーページに飛びます)

削孔の径はコンクリートドリルなどの切りさき径で確認し、長さは画像のようにテープで必要長さに印をつけるか、ハンマードリル付属のストッパーポール(写真、本体上部の棒)で削孔長を決めます。

②孔内清掃

ブラシ、ブロアーなどにより削孔した穴の中の汚れ、粉等を清掃します。

ケミカル材注入時に母材とアンカーとの一体性を良くするために行います。

削孔時の粉は多く、掃除機で吸いながら削孔するのが望ましいです。
(清掃の観点から)

そのうえで、孔内に残った粉をブラシでかき出し、さらにブロアの風で押出します。

③注入

清掃後ケミカルアンカーを注入します。
注入時は、削孔した穴の一番奥から手前に徐々に充填します。途中で空隙が生じないように打込むことがポイントです。

④ボルト埋込み

最後にアンカーを挿入します。
挿入するボルトの全長をあらかじめ測っておき、頭出しの寸法で根入れ部分の寸法を確認します。

⑤硬化養生

硬化不良が起きないよう、衝撃や振動、雨などの外的な悪影響の加わりそうなものから養生して保護します。

今回のケミカルアンカー材は温度が‐5度でも8時間、20度で30分と硬化時間は早く、養生は短時間で済みます。

まとめ

ケミカルアンカーのガンタイプの施工方法の詳細を解説しました。

先述したカプセルタイプとの比較となりますが、この製品の良いところは

・ボルトの先端カットの加工がいらない
・カプセルを割り、撹拌する作業がいらない
・天井施工でも液だれしにくいほど粘性がある
・在庫管理が楽
必要なアンカー数が多ければ多いほど手間が減ります。
今回EA-500を例に施工方法の解説をさせていただきましたが、
実際にケミカルアンカーを施工する場合は、各メーカーから出されている施工方法、埋込長・削孔系を守り施工するようお願いします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました