窓やドアはどうやって取付けられている?建具工事の現場管理ポイントを解説

建具工事
・建具工事の段取りの重要性と管理内容を解説
・建具・サッシの取付け方や開口部の考え方を解説

ドア・窓の取付け方

新築工事を進める上で非常に重要なドアや窓。
建具工事を現場管理する上ではドアや窓はSDやLSD、WD、AWなどといった名称で呼ばれます。
これは建具の素材とドアか窓か、アルファベットの頭文字で略称されており

SD: Steel Doorの略 鋼製のドア
LSD: Light Steel Door 鋼製軽量ドア
WD: Wood Door 木製のドア
AW: Aluminum Window アルミ製の窓

などと色々な種類があります。
以上のように様々な種類の建具があり、取り付け方も1つではありません。
一般的にドアや窓の取付場所はコンクリートか鉄か木に取りつけます。
建物構造と建具の種類の組合わせで設置方法が何通りもあります。
コンクリート造、鉄骨造、木造の構造により取付方法・管理するポイントが変わりますので、順に解説をしていきます。

各構造に共通して重要なポイント

現場を進める上では極めて重要になってくる建具工事。
冒頭で説明した「新築工事を進める上で非常に重要なドアや窓」この言葉の意味を説明します。

一般的な建具を設置するには壁に開口を設け、そこに建具枠を設置していきます。その開口サイズと位置を早い段階で決定しなければ後々建具を取付けることが出来なくなり、開口を作った後に大きな変更を加えなければならなくなります。(作った壁の解体や、建具の変更など)

1Fの建具開口部を例に取ると、基礎工事完了時点で開口サイズ・位置を決めておきたいです。それでも遅い場合があります。

開口位置・サイズに影響する内容
コンクリート造:壁の差筋位置や型枠の製作
鉄骨造:腰壁の差筋位置や型枠の製作・鉄骨の開口位置の製作
木造:プレカット
以上のように、早い段階で「建具詳細図」を入手し平面詳細図に落とし込む計画が必要です。
事前にしっかりとした計画をせず、後々建具に変更が出れば製作期間が長いものが多いので工期にも影響します。

現場で納まらなくなる例

開口部のチェックをする上でほんの1例ですが、画像のように建具の枠の厚さなどを平面詳細図に落とし込んでいくと納まらない所が見えてきます。
画像のような納まりだと、どこかの壁を変更しなければならないので建具工事以外の工種に影響してきます。

コンクリート造・鉄骨造での建具の取付

それでは構造別に建具の納まり、取付け方の解説をしていきます。

RC造と鉄骨造では開口の作り方は違う物の、建具の取付け方は似ているのでまとめて解説します。
で建具を設置する場合は以下のような手順が多いです。

①建具枠より大きい開口を設ける
②開口にアンカーを打つ(鉄骨の場合溶接)
③建具枠を設置する(アンカーに溶接orビス止め)

大きく上記のような流れで枠を設置します。

①開口を設ける

外壁の開口は以下の写真のように開口を設けます。

 

左の写真がRC造、右の写真が鉄骨造の開口です。

RC造の場合は開口はコンクリートとなります。

鉄骨造の場合は外壁によりますがALCや押出成形セメント版の場合は床以外の3方をLアングルで囲い開口を設けることが多いです。
Lアングル以外にも開口の大きさに応じて鉄骨で作る場合もあります。腰壁がコンクリートの場合もありますが基本的に鉄骨造の開口は鉄となります。

RC、S造と共に開口のサイズと位置を早い段階で決める必要があります。
(RCでは鉄筋組立前、S造では鉄骨製作段階)

開口サイズの考え方は何通りもある

開口サイズについては建具の納まりと合わせて十分な検討を行ったうえで決定します。

納まりの参考としてはYKK AP様など、納まり参考図をPDFやCADデータでも載せている為、非常に参考になります。

先に説明した開口を大きめに作りアンカーで建具の水平・垂直を調整して設置できる場合は良いですが、建具を鉄骨胴縁に直付けする場合などは注意が必要です。
胴縁直付けの場合はクリアランスを大きく設けることが出来ないです。そのため鉄骨柱の倒れなどを拾い、胴縁の高さや出入りが若干ですがズレます

画像のように窓が壁1面に並ぶような建物の場合、胴縁の高さや出入りの悪い所を拾い窓の高さが合わなくなる場所が出てくる可能性があります

納まりがシビアな場合は右図のように、鉄骨胴縁と建具の間に木下地を挟むと建具の出入り、高さの調節が可能になります。

②開口にアンカーを打つ

RC造の場合は建具開口に穴あけしアンカーを打ちます。
S造の場合は開口下地にピースを溶接します。

鉄骨造などでは外壁の断熱等で溶接が危険な場合もあります。
ビス止めで建具を固定する方法もあるので、現場に合わせて施工します。

③建具枠を設置する

レーザーや下振りを用いて水平・垂直を見て固定します。
右写真のように下地とサッシの間にピースを設け、間隔は500㎜以下とします。

下地と建具の間は3~5㎝くらいのクリアランスを設けるのが一般的です。
建具固定後は、モルタル・ロックウール等でクリアランスを塞ぎます。

木造での建具の取付

木造では在来工法と2×4工法で開口部の寸法精度に違いが出ます。

建具設置までの流れとしては

①開口を設ける
②建具を開口に取りつける

木造の場合はビスで容易に取り付けることが出来るので、用意した開口に直接建具をビス固定することが多いです。

2×4工法では壁下地を面で作り、現場に搬入するので建具と開口のクリアランスをほぼ設けずに取付まで行います。

在来工法では、柱から現場で建込むので2×4より開口精度は少し劣りやすいですが、クリアランスをほぼ設けずに取付します。

内壁の建具取付

外壁中心に解説をしてきました。

内壁についてもRC造は同じ方法で、S造は軽量鉄骨で組み立てます。
軽鉄の場合は地墨を出し、その墨にに合わせて内装工事業者が開口を建て込みます。
木造も外壁と同様になります。

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