・コンクリート現場受入時の検査での許容値
(スランプ・温度・空気量・塩化物イオン)
・検査の流れ、写真撮影
現場ではコンクリート受入時にの品質チェックで検査を行うことが多いです。現場担当者が覚えておくべき数値、流れ、写真撮影方法などをこのページでまとめています。
コンクリート現場試験の流れ
コンクリート打設日には打設前に受入検査を行います。
受入検査の流れは以下の通り。
①検査員がアジテータートラックからコンクリートを採取
(基本ネコで必要量採取します。)
②検査員が採取したコンクリートでスランプ・温度・空気量・塩化物の測定を行う。
(現場担当者は結果を黒板にまとめる)
③現場担当者が各数値を写真で撮影、確認する。
(数値に異常がないか、確認する)
この際、必要な場合は供試体も作成します。
受入検査の回数
同じスラブCONの打設でも、打設日が2日に分かれれば2回の検査が必要となります。また1日における打設量によっても回数が変わります。JISにおける決まりは以下のとおり。
普通コンクリートの場合
・1日1回以上
・150㎥またはその端数ごとに1回
となります。JASSでは上記に加えて「打込み工区ごと」が追加されます。
現場担当者は設計図書で必要回数を確認するか、監理者に確認を行い必要な回数検査を行います。
検査での各数値の確認
標準の検査項目であるスランプ、空気量、温度、塩化物イオン量の許容値を解説します。
スランプ
スランプが8㎝以上、18㎝以下の場合の許容値
±2.5㎝
スランプが21㎝の場合の許容値
±1.5㎝
設計図書に 21-18-20 などと記載があれば
21 → 呼び強度 「21N/㎟」
18 → スランプ 「18㎝」
20 → 粗骨材の最大寸法 「20㎜」
の意味です。基準値を把握し、現場試験で許容値の確認を行います。
空気量
普通コンクリートの場合
空気量の許容値は4.5±1.5%です。
温度
JASSなどにおいては現場荷下ろし時点でのコンクリート温度は35℃以下とされています。
塩化物イオン量
塩化物イオン量の測定はカンタブ試験などとも呼ばれます。「カンタブ」は塩化物量を測定するもので太平洋マテリアル㈱社の製品名です。多くの現場試験に用いられるので、現場ではよく使われる言葉となっています。
コンクリート中の塩化物イオン量の許容値は0.3%以下となります。
工事写真の撮り方
各試験の数値を確認、記録する目的で工事写真を撮影します。大まかな流れは以下のとおり。
①アジテータートラックからの生コン採取状況を撮影
②試験結果の撮影
③供試体の撮影
工事監理者が立ち合い確認を行う場合は監理者が黒板を持ち撮影します。
生コン採取状況
アジテータートラックから生コンを採取している状況を撮影します。黒板をいれて撮影し、いつ・どこの部位の採取状況写真なのか記載します。
試験状況全景
スランプ・空気量・温度・塩化物イオン・供試体の採取、試験状況が写るように写真を撮影します。黒板には簡単な表を作成すると結果が解りやすいです。
試験状況接写
各数値が解るように接写で撮影します。
スランプ試験の接写。
コンクリート温度の接写
空気量の接写
塩化物イオン量の接写。3本のカンタブを使用し、平均値を出します。
供試体写真。黒板をつけて撮影します。
まとめ
各検査時の許容値と工事写真の撮り方について解説しました。生コンの各試験数値に異常があるということは滅多にないですが、品質確認を行う上で暗記は必須と言えます。
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