型枠工事で使用する材料・工具
コンクリートを成型するために必ず必要な型枠工事。
今では解体不要なラス型枠や、鋼製型枠など様々な型枠の種類があります。このページでは一般的な合板を用いる合板型枠の材料を紹介していきます。
型枠の組立の手順や施工に関しての管理ポイントは別記事基礎型枠の施工手順 現場管理のポイントとは?で解説しています。
合板せき板
型枠で用いられるせき板には種類が色々あります。
せき板とはコンクリートを形作るために使用する板のことで、現場ではコンパネと呼びます。
(コンクリートパネルなのでコンパネ)
コンパネ(パネコート)
HP:カナモク様より引用
コンパネのサイズは一般に厚さ12㎜で900㎜×1800㎜です。
画像のようにウレタン塗装で表面処理されたものや、無塗装品があります。
またJAS規格で表面の品質について無塗装品と塗装品でそれぞれ定められています。さらに標準仕様書でも3つに分けて種類の区分をつけています。(この点は別記事で詳しく記載)
なぜ種類分けがあるのかというと、コンクリート仕上げと言ってもコンクリート表面の美観性が求められる所と、そうでない所があるからです。
基礎は埋戻しで表面が見えなくなります。
写真左は無塗装品のコンパネを使用したコンクリートの肌です。
美観性を求められない事から、多少のコンクリート表面のガサつきがあっても必要なコンクリート幅を確保できれば問題ない訳です。
また外壁や擁壁などの人が見える所に打放し仕上げをする場合、基礎のような綺麗に仕上がらないコンパネを使用してしまうと問題です。塗装品のコンパネを使用します。
・コンパネ表面の品質にいろいろな種類があります
・種類分けをすることにより工事費用(見積もり)にも影響します
セパレーター
セパレーターとは、必要なコンクリート幅を成型するために使用する部材です。
現場ではよく「セパ」などと呼びます。このセパにも種類があります。
セパレーター種類
HP:㈱佐藤ケミカル様より引用
B型とC型、片面ずつ分かれたBC型とがあります。
画像に書いている通り
- B型は打放し仕上げなどの見える所に使用
- C型は埋戻しなど見えなくなる部分に使用
- BC型は地下ピットがあるなど、片面は埋戻し、片面は打放しで見える部分に使用
一般には上記のように使い分けをします。
使用例の画像です。片側コンパネを組み立てて反対側(返し)のコンパネを組み立てる前の状況です。
セパの真ん中に黒いものが付いています。これは止水板といって、コンクリート完成時にセパをつたって雨水などの水の通り道にならないように止水するための物です。
Pコン(ピーコン)
B型のセパレーターの先端についている部材をPコンと言います。
Pコンにネジ受がついていて、セパレーター端部のねじ山と接合し取り付けます。
また型枠脱型時にはこのPコンは解体します。セパレーターはコンクリートに打ち込まれてPコンは外し、解体完了後セパレーターが錆びないように処理を行います。
ガッツ
型枠の返しの無い(相手がいない)場合に用いる製品があります。
現場でも「ガッツ」と呼ばれるこちら
主に両面型枠を設置しない納まりで相手がいない場合や、スラブ段差の止め枠などに使用します。
セパレーターの先端にこの製品を取り付けて、鉄筋などに型枠を固定する場合に用います。
ホームタイ・単管
型枠にはコンクリート打設時に圧力がかかります。
型枠が打設中にたわんだり、変形しないように金物を用いて補強します。
写真の横方向に流れている角パイプを支えているのがホームタイです。先述のPコンのねじ部分にホームタイを取り付けます。
角パイプや単管を取り付けるためにホームタイがあり、角パイプや単管でコンパネを支えます。
コンパネのジョイント部が一体化され、コンクリートを受けるための「1枚の壁」となります。
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