・現場監督が高さや水平をどのような機器を使って管理しているのか解説
・測量機器と現場でよく使うシーンなどを紹介
そもそも何のために使うの?
いつ | 何のために |
着工時 | GL(FL)の設定 |
地業工事 | 杭天端の高さ確認 |
土工事 | 掘削床の深さ確認 |
金物工事 | アンカーボルト高さの管理 |
コンクリート工事 | 打設時のコンクリート天端出し |
木工事 | 土台の水平確認 |
鉄骨工事 | 柱下ベースモルタルの高さ確認 |
内装工事 | 天井高さ出し |
外構工事 | 路盤高さの管理 |
ざっと代表的なものを挙げただけでもこれくらいあります。
表の内容は全て高さを管理(確認)しなければならなく、確認を怠ると建物として大きな欠陥が出る可能性があります。
ではここから本題です。実際の工事現場ではどのようなツールを使って高さ確認しているのか、次に解説していきます。
高さを測量する道具の種類
高さを管理する測量機器や道具は主に次のようなものがあります。
- オートレベル
- 回転レーザーレベル
- レーザー墨出し機
- 水平器
1.オートレベル
一番メジャーな測量機器です。レンズを覗き込んで、メモリを読んで高さを測量します。
2人1組で使うのが一般的です。
屋外でレベル(高さ)を見るのに使用するのはオートレベルか回転レーザーレベルが一般的です。
オートレベルという名前ですが、使ってみると今回紹介する3つの機器の中では一番アナログです。現場でのこの機器の呼び名は単純に「レベル」と良く言います。
価格帯:1万5000円~15万くらい
ぶつけたり落としたりすると、精密機械なので狂ってしまいます。
2.回転レーザーレベル
本体機器のレーザーが回転して、受光器(子機)がそのレーザーを受けて高さを測量します。
オートレベルと違い、一人でレベルの確認が容易に出来ます。現場では「レーザーレベル」と呼ばれたりします。
価格帯:8万~30万くらい
一人でレベルを確認できる所から、建築現場ではコンクリート打設時の左官屋のコン天確認や、土工事の掘削時の床付けに使用されたりするのがメジャーだと思います。
3.レーザー墨出し機
内装工事など室内でよく使用されます。
室内で多く使用される理由として、レーザーが機械から出て垂直・水平を確認出来るのですが、そのレーザーが太陽の下など明るい所だとほぼ見えません。
受光機を使用すれば音でレーザーの位置を把握できます。
またオートレベル・回転レーザーレベルと大きく違う所は、名称の通りレベルを確認するだけではなく墨出しにも使用できる機器です。機器を水平に据付けなくても機械が勝手に自動調整してくれるのも便利です。(傾き過ぎているとダメです)
レーザーの出る方向が、
・垂直に1方向出る物
・垂直に2方向出る物(直角を確認できる)
・水平に出る物
物によっては水平にレーザーが出ないなどがある為、買う際は必要な方向にレーザーが出るか確認するのが重要です。
価格帯:1万円~30万円くらい
コンパクトで前述のレベル機器と違い、三脚などの足を使わなくても使用できます。外でも使用可能ですが長い距離で高さを確認したいときは不向きです。(外で使用する場合は、個人的な体感で5~6mが正確に出せる限度)
4.水平器
垂直や水平を見る道具で、気泡を見て確認します。
例えばDIYで物置などを作るとき、土台が水平であるか確認したり柱が垂直に立っているかなど、水平や垂直を見たい対象の物があるときに使います。
紹介した中では一番安価で、すぐにパッと取り出して使えて便利です。現場では必須のアイテムです。
まとめ
4つ機器を紹介しました。
建物を建てる際は正確に、なおかつその時々にあったやりやすい方法で高さの確認を行います。
また測量した高さを現場に残す手法として良く用いるのが、水糸を使用してレベルを出します。
例えば家の駐車場を作るにあたり、家から道路に向かって水勾配を付けたい場合など。
この場合は水上と水下に垂木杭を地面に打込み、杭の頭に釘を打ちます。その2点を水糸で繋いでやれば糸の通りに地面の高さを合わせれば水勾配を付けられます。
外構の水勾配に限らず、レベルの墨を打てない場合などにも多く用います。
レベル(機器)を使うということは建物を管理する上では必須のスキルですので、以上の道具は最低限使えるようにしましょう。
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