総堀り?布掘り?つぼ掘り?土工事の掘り方・種類

土工事
・根切りの掘り方、種類の解説
・それぞれのメリット、デメリット

掘り方に種類があるのはなぜ?

建物には基礎があり、その基礎を作るために適切な掘り方があります。必要以上に掘れば作業量も増え、残土も増えます。残土は処分するのに費用が発生しますし、運搬回数が多くなったり…と無駄な作業・費用が発生します

現場に合わせた根切りをすることにより、作業上の無駄を無くすのが掘り方に種類がある理由です。

このページでは代表的な掘り方である、総掘り、布堀り、つぼ掘りの解説をしています。

布掘りとは

フーチング基礎や基礎梁など、連続している基礎を線上に掘り進めていく掘り方です。

基礎の例

仮に上の画像のような基礎(灰色部分)を作るとします。

基礎を作る作業(鉄筋や型枠の作業)が出来るように余掘りを含めて基礎より少し広い幅で根切りを行います。

下の画像の赤線斜線部分が布堀りの例です。

布堀りはピットや地階が無く、基礎梁やフーチングから構成される基礎に適用されます。

冒頭でも記載しました通り必要な余掘り分だけを掘ることで、無駄な作業を発生させないのと、残土が多くならないようにするのが目的です。

余掘りのイメージ図

布堀りの断面図の一例です。

基礎底の深さは現場により色々ですが、画像のような深さだと余掘りに人が入らないと鉄筋や型枠を組めないので余掘り幅を見込んで計画します。(画像は60㎝の余掘り幅)

布堀り部での作業

布堀りのメリットとデメリット

・残土を最小限に抑えられる(搬出手間や処分費が抑えられる)
・掘る作業量も最小限に抑えられる
・余掘りの幅を狭くすると、作業性が悪い
・雨などによる地山(基礎平面上のマス目の中など)の崩壊防止で、養生や土留めが発生する。

つぼ堀とは

次につぼ堀です。独立基礎などに用いられる掘り方です。つぼ堀も布堀りと同様で、基礎の幅+余掘りを掘ります。

布堀りと違うところは、連続して繋がっていないという点です。独立した穴となります。

下の画像の赤斜線部分がつぼ堀の例です。

つぼ堀を採用する場合は布堀りと同様、土間下にピットが無いなど基礎部分だけ掘る必要がある時に用いられます。

現場管理上気を付けたい所は、つぼ堀部分への墨出し作業が難しいです。布堀りのように繋がっていれば通りを見やすいですが、つぼ堀はトランシットを何回も動かさないと測量出来ない場合もあります。

総合的に考えて掘り方を計画しますが、独立基礎でもつぼ堀ではなく布堀りにしたほうが円滑に進む事もあるので、頭の片隅に入れておきましょう。

つぼ堀のメリットとデメリット

・残土を最小限に抑えられる(搬出手間や処分費が抑えられる)
・掘る作業量も最小限に抑えられる
・穴の深さにもよるが昇降設備が必要な場合もある
・排水の悪い土の場合は雨が降ると水替え作業が大掛かりになる
・墨出し作業の効率が悪くなる(穴の大きさ深さによる)

総掘りとは

総掘りは、基礎が全て入るように全面掘ります

一般的には1F床のコンクリート下にピットや地階などがある場合や、べた基礎などに用いられる掘り方です。

下の画像の赤斜線部分が総堀りの例です。

全面に渡って掘るので3種類の掘り方で一番シンプルです。

掘った底も広く作業しやすいので、布堀りやつぼ堀と比べて掘削床での作業性が良いです。

総堀のイメージ

布堀り・つぼ堀と比べて搬出残土が多く、ダンプ(搬出車両)がスムーズに搬出出来るように計画するのが重要です。

総堀りのメリットデメリット

・つぼ堀、布堀りに比べて掘削後の作業性が良い
・掘削中の埋設物や溜り水などのイレギュラーな対応が他の掘り方に比べて比較的多い
・残土の処理や運搬など費用が掛かる

まとめ

3種類の掘り方やメリット・デメリットの一例を挙げました。

根切りはダンプの手配バックホーなどの能力決め掘り進め方などの計画や事前の周辺環境の調査仮設通路の計画など様々な検討が必要です。

設計時に山留めなど見込まれているか、施工時の計画で作業上適切な方法かを再検討して工事を進めることが重要です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました