仮囲いの設置基準と設置方法は?数種類の工法を紹介

仮設工事
この記事を読んでわかる事
・仮囲い設置の基準
・仮囲いの設置(施工)方法
町中の工事現場では、必ずと言って良いほど見かける仮囲い
仮囲いは歩行者の安全の確保や、関係者以外の侵入を防ぐセキュリティの面でも有効となります。
一方で田舎の工事現場や住宅の現場などでは仮囲いがされていない場合があったりと、どのような基準で仮囲いの設置がされているのか?という点をこのページでは解説しています。
また仮囲いの設置方法について
・地盤が土や砕石などの場合
・アスファルトの場合
・コンクリートの場合
と3つに分けて設置方法を解説しています。簡易的な塀を作りたい場合などにも有効な方法となりますので参考になれば幸いです。

仮囲いの設置基準

仮囲いに関する規定は建築基準法の施工令第136条で定められています。

まず簡単に解説すると、以下のようになります。

仮囲いを設けなければならない場合

①木造建築物は高さが13m、もしくは軒の高さが9mを超えるもの
②木造建築物でない場合は2以上の階であるもの

木造の建築物で高さが13m若しくは軒の高さが9mを超えるもの又は木造以外の建築物で2以上の階数を有するものについて、建築、修繕、模様替又は除却のための工事を行う場合において
(令第136条の2の20)

仮囲いの仕様

①高さ1.8m以上の囲い

工事期間中工事現場の周囲にその地盤面その地盤面が工事現場の周辺の地盤面より低い場合においては、工事現場の周辺の地盤面からの高さが1.8m以上の板塀その他これに類する仮囲いを設けなければならない。
(令第136条の2の20)

設置不要の場合もある

施工令には、ただし書きで以下の事が書かれています。

これらと同等以上の効力を有するほかの囲いがある場合又は工事現場周辺もしくは工事の状況により危害防止上支障がない場合においては、この限りではない。
(令第136条の2の20)

危害防止上支障がない場合というのは、突き詰めればどこまでなのか。
という話はありますが、実際の現場では仮囲いの設置が難しい場合などもあり現場所長判断と言っても良いでしょう。もっと言えば契約時の見積り内容にもよります。

仮囲いにせよ他のものにせよ、施工令のただし書きは「どうしても出来ない場合の逃げ道」と考えるのが良いと思います。

上記でも触れましたが、ただし書きの前に具体的な建物や仮囲いの仕様についても謳われていますので「安全第一」となるよう個々で設置の検討をすることが重要だと考えます。

仮囲いの設置方法

次に設置の方法です。施工的な所を詳しく解説していきます。

安全のために設置する仮囲い。「仮」囲いと言えども、台風などの強風で倒れるような耐久性のないものを設置しては逆に危険です。現場によって長ければ数年設置したままとなります。

一般的にどのような方法で作られているのか、解説していきます。

地盤が土や砕石などの場合

仮囲いは、地面に「壁」を作ります。その壁が倒れないよう、支持を取るのは基本的には地面となります。

良く見る仮囲いは上記の写真のような形状だと思います。次に、裏側の写真を載せます。

裏側はこのようになっています。

①単管を地面に打ち込む
②水平材、垂直材、筋交いの単管材を組み立てる
③水平材の単管に、仮囲いのパネルをひっかける

基本的には上記のような手順で組み立てていきます。

②は1.8m間隔くらいで組み立てるのがベターです。

①地面に単管を打込む方法

単管を地面に打ち込む方法は、重機(ユンボ等)で垂直に立てた単管を押し込むことにより打込む方法などがあります。

重機が無い場合はウォーハンマーなどで地面に打込む用の単管があります。

・打込み単管(くい丸)

地盤の固さにもよりますが、長さは1mか1,5mを使用する事が多いです。

・両口ハンマー(ウォーハンマー)

自分の足にハンマーをあてないよう、扱いに注意。固い地盤に打ち込みたい場合は、重いほうが扱いやすいです。(4㎏程度)

 

以上のような方法で、壁を支える単管を打ち込みます。
(仮囲いの強度に影響する、一番重要な作業です。)

②単管とクランプで仮囲いパネルの受けを作る

垂直材と水平材の繋ぎは直交クランプ、筋交いと他の材料との繋ぎは自在クランプを使用してパネルの受けを作ります。

①の打込み単管はパネル側の垂直材の足元と、筋交い材の足元の2打込みます。

・2本の打込み単管同士を水平材で繋ぐ (直交クランプ2個)
・パネル側の打込み単管で垂直材を建てる (自在クランプ2個)
・垂直材の上部と筋交い用の打込み単管を繋ぐ (自在クランプ2個)

上記のようにして、単管で◣の形をつくります。

1.8m以上の高さの仮囲いを設置する場合は先ほどの写真のように、垂直材の足元と筋交いの中間を頬杖で補強するのが良いでしょう。

後は奥行(仮囲いの全長)に応じて◣の個数分の部材と、パネルの上下に単管を固定します。
(パネルが高い場合には中間にも)

・直交クランプ

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・自在クランプ

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③仮囲いパネルの設置

パネルにもいろいろなものがある為、②のパネル受の単管の高さはパネルに合わせた高さにする必要があります。

・フックをかけるタイプのパネル
・メッシュパネルを番線で固定

などパネルの仕様を確認し、合わせたパネル受を作りましょう。

アスファルトの場合

アスファルト上に仮囲いを設置したい場合、先述したように単管を地面に刺す場合が難しい場合があります。
(表層を傷つけたくなかったり、路盤が固いなどの理由から)

写真のように打込み単管の代わりにH形鋼を地面に置き、キャッチクランプで水平材とH形鋼を固定する方法が簡単と言えるでしょう。

・キャッチクランプ

パネル受とパネルの設置方法は先述した通りです。

コンクリートの場合

地面がコンクリートの場合は固いので単管を打ち込むことは不可能です。

そこで、地面に穴をあけてアンカーボルトを打込むか、スクリュー式のアンカーを使用する方法が多く用いられます。

・コンクリートにアンカー穴をあける
・アンカーを用いてジャッキベースまたは固定ベースを固定する
(アンカーボルトかスクリュー式アンカーを使う)
・ベース金物に単管を繋ぐ

上記の方法で行います。地面への固定方法は以上で、その上の単管の組み方は先述した通りです。

・固定ベース

・スクリュー式アンカー

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撤去の事を考えるのであれば、スクリュー式のアンカーがおすすめです。
アンカーボルトだと充填剤(ケミカルアンカーなど)を使用する事によりボルト頭を切って撤去する事になります。スクリュー式だとインパクトで取るだけとなります。(モルタル埋め程度は必要)

またコンクリートの穴あけはハンマードリル、アンカーの締付けはインパクトを使用する事で効率よくできます。

 

画像はメッシュパネルの例

メッシュパネルであれば、スクリュー式のアンカーで固定ベースを1.8mピッチに取付けて筋交い無しで仮囲いを取付けたことがあります。(筋交い方向に奥行きが取れなかった例)

単管に番線でパネルを固定しました。

その時は6ヶ月ほど何ともなかったので、強度的な参考としてなればと思います。

まとめ

 

それぞれ地面への固定方法が違うだけで、単管の組方はほぼ変わりません。

仮囲いの施工例はDIYで塀を作る際にも参考になるかと思います。単管に木材を固定できる垂木受けクランプなどを使用して木の塀なども作れますので、目隠しで塀を作りたい方などにもこの記事が参考になれば幸いです。

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