・耐久性(防水、防塵、耐衝撃)、手ぶれ、暗いところでも綺麗に撮れるの3点を重点に比較
・現地調査などの調査時にお勧めしたいカメラを紹介
現場監督におすすめのカメラ
建築現場の現場監督は提出用の工事写真台帳を作るにあたり、写真撮影は必須の仕事です。
カメラを購入する時は雨天時や、埃、衝撃を受けやすい環境で使用する事が多いので耐久性のあるカメラ選びが必要です。
筆者の体験談で、現場で「工事写真専属」で現場入りしたことがあります。その際にカメラを新しく買い与えて貰いましたが「耐衝撃無し・防塵・防水なし」のカメラでした。予算もあまりなく、突貫現場での追加人員だったので取急ぎの現物支給でした。
新しいカメラで大切に使用していましたが結果、雨の日でも絶対に使わないといけない日もあり3か月でカメラが壊れました。「安物買いの銭失い」にならない様、経験の結果耐久性のある使いやすいカメラ選びが重要だと思います。このサイトでカメラ選びの参考になればと思います。
カメラ選びのポイント3つ!
それではどのような性能を持つカメラ選びが必要か。この記事では3つのポイントに焦点をあてて比較しています。
シャッタースピードの速さ・ISO感度(手ぶれ防止機能も含む)
工事写真は工事が進むと二度と取れない写真があるので正確でブレのない撮影が重要です。台帳を後々まとめている時に「重要な写真がブレている」なんて事が起きないようシャッタースピードの速さは重要です。
またISO感度の数字が大きいほど、ブレにくい写真が撮れます。
(不用意に上げて撮影するとノイズが入ります)
シャッタースピードの速さ、手振れ防止性能が良ければ職人さんに「写真を撮るからその体勢で止まってください」みたいなやり取り無しでも撮れるカメラを比較対象にしています。
F値(暗所でも綺麗に写真が撮れる)
建築現場は何かと暗所での作業が多いです。建物内は照明がつかなく、外のほうが明るくて逆光になるシーンもあり、写真を取り直す事も。
逆光はカメラの性能というよりも環境上仕方のないことです。ただ少しでも光を多く取り入れられるカメラで明るい写真を撮れる物を選別しました。
耐久性(防塵・防水・耐衝撃)
なんといっても工事現場では重要な耐久性。
- 雨の日の撮影
- 埃が多い中での撮影
- 撮影時に落としてしまっても壊れないもの
など、必須項目です。耐久性を激選してまとめました。
以上のポイントにフォーカスをあてて比較しています。
激選5つのカメラ
第5位 RICOH WG-90
手振れ性能 | (3.5 / 5) |
暗所での撮影 | (3 / 5) |
耐久性 | (4 / 5) |
2023年12月上旬発売
手ブレの性能については「電子式手ブレ補正」もついており、シャッタースピードが最短で1/4000秒、ISO感度は125~6400。とスポーツのアクティブな動きにも対応するスペックです。
暗所での撮影はF値3.5とこれも一般的で、工事現場の撮影では若干暗く映ってしまうシーンもあるといった所でしょう。
耐久性に関しては今回紹介した5製品とも防水・防塵性能は規格値が同じで、どれも最強です。(JISで定められている保護等級の一番上限のものを紹介しています)
防水等級:JIS防水保護等級8級(IPX8)
防塵等級:JIS防塵保護等級6級(IP6X)
耐衝撃性能は少しばらつきがあります。
こちらの製品は1.6mの高さから落としても耐えられる性能となっています。
そのほか特徴
良い点
・耐寒性能-10℃
・マクロ撮影可能でボルト径などの接写もきれいに写せる
・1回のシャッターボタンの操作でフラッシュ有り無しの2枚の写真を同時に取れる機能あり
・晴天の日でもモニターを確認しやすい「アウトドアモニター」搭載
・CALSモード搭載(公共工事提出基準に適した設定)
もう一声欲しかった点
・USB2.0(マイクロB)
・Wifi、bluetooth機能なし
飛びぬけて良い性能を必要としない場合はこの製品がおススメ
第4位 KODAK PIXPRO「WPZ2」
手振れ性能 | (3 / 5) |
暗所での撮影 | (3 / 5) |
耐久性 | (4.5 / 5) |
2020年7月上旬発売
手ブレの性能は「電子式手ブレ補正」がついており、シャッタースピードは最短で1/2000秒、ISO感度は100~3200となっています。シャッタースピード、ISO感度共に手ブレ性能は先に紹介したWG-90のほうが優秀となっています。
暗所での撮影はF値3.0となっており、一般的な数値です。
耐久性は防水・防塵性能は先ほどと同じ等級でお墨付きのタフさです。
防水等級:JIS防水保護等級8級(IPX8)
防塵等級:JIS防塵保護等級6級(IP6X)
また耐衝撃性能は2.0mの性能があります。
そのほか特徴
良い点
・WIFI機能搭載
・CALSモード搭載(公共工事提出基準に適した設定)
・低価格
もう一声欲しかった点
・動作環境0℃~40℃
・マクロ撮影無し
基本的に防水・防塵・耐久性カメラは高いです。
値段相応な手ブレ(ピント合わせ)が業務上少し煩わしい場面もあるかも。
第3位 COOLPIX W300
手振れ性能 | (3 / 5) |
暗所での撮影 | (4 / 5) |
耐久性 | (5 / 5) |
手ブレ機能について、手振れ補正機構付きでシャッタースピードが最短1/1500秒と紹介する製品の中では一番シャッタースピードが遅いものとなっています。比較すると一番遅いですがISO感度は125~6400とあり、最大6400と問題なく使用できる性能です。
暗所での撮影はF値2.8と紹介した製品の中で2番目に明るいレンズです。
耐久性は耐衝撃性能が2.4mの落下試験にクリアしており、5製品の中でトップの耐衝撃性能です。耐水性、防塵性は最高等級です。(全製品共通)
防水等級:JIS防水保護等級8級(IPX8)
防塵等級:JIS防塵保護等級6級(IP6X)
そのほか特徴
良い点
・広角レンズで狭い場所でも広い範囲を撮影できる
・使用環境温度 -10°C~+40°C
・Wifi、Bluetooth対応
・画面が大きくて見やすい
もう一声欲しかった点
・CALSモード非搭載(公共工事提出基準に適した設定)
広角のレンズで、モニター画面も大きく見やすいスペックです。
第2位 FinePix XP140
手振れ性能 | (4.5 / 5) |
暗所での撮影 | (4 / 5) |
耐久性 | (4.5 / 5) |
2019年3月20日発売
手ブレ性能は、手振れ補正機構付きです。シャッタースピードは最短1/2000と一般的。ISO感度が100~12800となっています。ISO感度の最大値が12800となっていて手振れ補正は優秀と言って良いでしょう。
次に暗所での撮影。F値は3.9と一般的なカメラよりやや暗いレンズを使用しているのが残念な点です。これもISO感度を高くして明るく撮影するなど工夫をすれば暗所でも良い撮影が出来ます。
最後に耐久性ですが、耐衝撃性能は1.8m。身長かやや高いところから落としても大丈夫であれば十分な耐久性です。防水・防塵は最高等級。
防水等級:JIS防水保護等級8級(IPX8)
防塵等級:JIS防塵保護等級6級(IP6X)
そのほか特徴
良い点
・Wifi,Bluetooth対応
・CALSモード搭載(公共工事提出基準に適した設定)
・耐寒-10℃まで対応
CALS対応により3位のW300より現場向き仕様
第1位 OM SYSTEM Tough TG-7
手振れ性能 | (4.5 / 5) |
暗所での撮影 | (5 / 5) |
耐久性 | (4.5 / 5) |
2023年10月13日発売
手ブレについて、手振れ補正機構付きシャッタースピードは最短で1/2000秒。ISO感度は最大で12800となっています。こちらは2位の製品と同等の性能を持っていて十分なスペックと言えます。
暗所での撮影は、5製品中最も光をとりいれられるF値2.0のレンズを採用しています。
耐久性は耐衝撃性能は2.1mとなっておりこちらも十分な性能です。防水・防塵は最高等級。
防水等級:JIS防水保護等級8級(IPX8)
防塵等級:JIS防塵保護等級6級(IP6X)
そのほか特徴
良い点
・USB2.0 type-C
・モニターが3.0型液晶、約104万ドットで見やすい
・マクロ撮影搭載
・Wifi、Bluetooth対応
・耐低温-10℃
・CALSモード搭載(公共工事提出基準に適した設定)
現場カメラ+1選
知られているようで知られていない便利なカメラを紹介します。
改修工事や、新築の着工時の近隣調査、現地保存写真などに使用できる360℃カメラです。
着工時の近隣調査で例えますと、近隣建物の基礎や壁のクラックを1枚1枚すべて写真で記録して図面に落とし込んでおいて、、、など膨大な写真の量が必要になります。
insta360というカメラを使用すればそんな写真が1回の撮影で済みます。
簡単に言うと、googleのストリートビューみたいな静止画を記録することが可能になります。
正直、この製品を知っていると知っていないとで現場で今まで撮っていた現地調査などの撮影手間がバカバカしくなるほど作業効率が上がります。
自撮り棒との組み合わせが使い勝手がよく
・天井内に潜らなくても点検口にカメラを突っ込めば360度写真が撮れる
・屋根上の写真等、2階の窓から自撮り棒を伸ばして360度写真が撮れる
(漏水や雨漏れ調査など足場無しで確認が可能)
・スマホとBleutooth接続し、U字溝の内部などを確認できる
長い自撮り棒を用いることで、外観調査のほかに上記のような調査の用途として使えます。
使い方によって、足場が必要なところも足場無しで確認が可能になります。
現場に1台あると、心強い味方のカメラです。
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