ポータブルコーン貫入試験とは
ポータブルコーン貫入試験は地耐力を確認する試験です。
設計図書に位置と耐力が指定されるので、その数値を確認します。具体的な例として土間下50kN/㎡や基礎下100kN/㎡などと指定されます。
一般的には軟弱な地盤に用いられる試験で、粘土やシルトなどの地盤に使用します。
試験方法
先端にコーンを取り付けたロッドを人力により一定速度(1㎝/s)で地盤に連続圧入します。
㈱ソーキ公式HP様より引用
先端にコーンを取り付けたロッドとは一言で言うと試験機器のことで、写真の棒の先端の▼部分がコーンです。ロッドは棒部分です。
貫通抵抗は深さ10㎝ごとに読み取ることが多いです。しっかりした地盤だと10㎝も貫通しなくても求められている地耐力が出ます。また調査深度は一般に人力で行う試験です。深さ5m程度までが限度です。
試験手順
現場での試験手順の詳細です。建築士や、施工管理技士の資格勉強をされていて試験の名前を聞いたことがあるという人がいると思います。
この試験はものすごい簡単な手順なものなので、初めて管理される方は「もう終わり?」となるかもしれません。
手順
- 場所を決める
- 地面に試験器具を刺す
以上で試験は終わりです。かみ砕いていうと、試験員が手で地面に棒を刺すだけで終了です。
先述した通り1㎝/sの速度で差込むという決まりがあります。人力で行うことが前提の試験ですのでさし込みスピードの目安です。ストップウォッチなどを用いると精度が高まります。
現場管理のポイントとしては試験器具にもよりますがほとんどの物が目盛りの読み値=kN/㎡ではないです。(計算により出します)
写真の物は目盛りが一周していて読み値が140です。
工事写真を撮るときは、読み値と試験位置は黒板に記載していたほうが良いでしょう。
※試験機関に依頼する場合は一般に耐力の結果は報告書としてあがってきます。
試験位置について
設計図書で位置の指定があると思います。
「土間下」と指定されている場合は、試験のタイミングは基礎を作った後、埋め戻しをしてその埋戻し土の上でやるのが一般的です。
位置については掘り下げればキリのない話ですが、土間下の地耐力を求める場合は場所によって試験結果の値に結構違いが出ます。
その要因としては
・土間下の中でも埋戻し土と切土した場所の違い
・前日の雨で乾ききっていない場所
などなど土間下と言ってもいろいろな条件があります。
事前に設計監理者と試験場所の詳細位置を協議するのが双方確認出来て安心ですが、判断が難しい時もあります。
個人的には埋戻し土の上で求められている地耐力を確認できれば上出来なのかなと考察します。
まとめ
ポータブルコーン貫入試験の方法と手順を解説しました。
私は資格の試験を受験する年にちょうど貫入試験を現場で行いました。文章で見ると難しそうな地耐力の試験を想像していましたが、実際の現場試験を見ると、試験時間も5分程度で終わり簡易的な試験だったと記憶しております。
現場管理の目線で記事を書きましたが、資格を受験する人にも参考になればと思います。
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